2009.08.28
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(質問その15) ◆質問に関するページ:87 ◆レッスンナンバー:11

はじめまして。僕は高校で演劇部に所属しています。今は1年で、演劇に関わりはじめたのは、高校に入学してからです。

P87に「声帯をプッシュした声」ということが書かれていますが、声帯をプッシュしないで出す声というのは、具体的にどのようにしたら出すことができるのでしょうか? また、「今の自分の声は声帯をプッシュしていないぞ」と分かるポイントというものがありましたら教えてください。
(解答)
そうですか。高校の演劇部ですか。うんと楽しんで下さいね。
さて、「声帯をプッシュした声」という表現は、ちょっと誤解を与えてしまいそうです。

もちろん、声は、声帯を使わないと出ないわけです。「声帯を強引にプシッュした声」という言い方の方が、より正確なようです。
声帯で強引にプッシュした声は、聞いていて、耳にキンキンします。そして、同時に、声を出した人は、ノドがなんとなくヒリヒリします。
共鳴の場所が、ノドだけで、顔全体で響いてないような感じがします。
ノドの辺りが、なんとなく力んだ感じがします。顔全体や鼻の共鳴の場合は、ノドが楽な感じがします。
ノドの共鳴でも、声帯を強引にプッシュしないと、そんなに力まず、痛い感じがしません。
あなたの周りには、いませんか?
大きな声なんだけど、なんとなく、キンキンしたり、ノドがしんどそうだなあと感じる声を持つ人は?
逆に、大きな声なんだけど、ノドが楽そうで、ノドや首の辺りが、全然、力んでないと感じる人は?

耳を研ぎ澄まして、あなりの周りの声を聞き分けてみて下さい。
だんだんと分かるはずでず。
周りの声が分かるようになれば、自分の声も分かってくると思います。 (鴻上尚史)


(質問その14) ◆質問に関するページ:78 ◆レッスンナンバー:10

私達のサークルでは発声練習の際、全員でロングトーンレッスンを行い、外で見ていたスタッフの人達に「誰の声が聞こえたか(聞こえなかったか)」を毎回聞くようにしています。
私は顔全体が共鳴の中心になるように意識しながら声を出していますが「あまり聞こえない」という感想を受けます。でも、稽古の時は「声を大きくして」とはホトンド言われません。それに私自身、男の中でも地声が低いせいか(地声の低さと共鳴による低さは別だと思いますが)共鳴の位置が顔より高い人ほど「よく聞こえる」と言われているような気がします。声を同時に出した場合、「高い声のほうが低い声より届きやすい(共鳴の位置が高いほど届きやすい)」というのは気のせいなのでしょうか?単に、私の顔全体の共鳴が不十分なだけなのでしょうか?
(解答)
全員で声を出した時に、高い声の方が聞き取りやすい、というのは、当然のことです。
楽器で想像していただくと分かりやすいでしょう。
ピアノでみんなが中、低音を出している時に、一人、高音のキーを叩けば、その音はとてもよく聞こえます。
人込みでも、声の甲高い人の話し声が一番、耳に飛び込んできます。
ですから、大勢で声を出した時に自分の声が聞こえにくいからと言って、気にすることはありません。
ちなみに、地声の低さは、共鳴の低さ(ノドから胸)が関係している場合もありますし、声帯や口腔の形が関係している場合もあります。
ですから、一慨には言えません。
また、共鳴の位置が低いことが、無条件で悪いことでもありません。
顔全体の共鳴を絶対の最終目標にするよりも、いろんな声が出せることを楽しんで下さい。
それでは。(鴻上尚史)


(質問その13) ◆質問に関するページ:150

私はサ−ビス業で働いてる者で、接客で大切なことは声だと思っています。そして声でお客さんを楽しませるにはどうすればいいかと考えていたところ「発声と身体のレッスン」という本を見つけました。
そしてこの本で、声の5つの要素というのを知り、意識しようとしているのですがなかなか上手くいきません。緊張してる時は意識することを忘れてしまったり、ふざけたような音色を、この場で出していいのかと、恐くて安全な声でしか出せなくています。
どうすれば種類のある豊かな声を、色んな場で出せるようになるのでしょうか?
忙しいとは思いますが良ければご返答お願いいたします。
(解答)
質問、ありがとうございます。
俳優を目指す人ではなく、仕事でなんとか使っていただこうとしていることに、とてもうれしく感じます。。
さて、まずは、『発声と身体のレッスン』と共に、『あなたの魅力を演出するちょっとしたヒント』(講談社文庫)をお勧めします。この本は、『発声と身体のレッスン』より、俳優志望者ではない人達向けにも分かりやすく書いた本です。
声の5つの要素を、もっと詳しく書いています。
で、どうすれば、この要素が上達するかですが、基本的に、「ファッションセンスを磨くことと同じ方法」だと思ってください。
おしゃれさんになるためには、まず、おしゃれな人のセンスに目を向けるはずです。
声も同じです。
あなたの周りにいる、声の要素の豊かな人の声の使い方に気づいてください。
「そんな人はいない」と思っていますか?
ファッションセンスのない人は、街を歩いていても、誰の服装にも目を向けません。
けれど、おしゃれな人は、街を歩いていて、「あっ、あのコーディネイトは、いいな」と気づくはずです。
声も同じです。喫茶店の中、電車の中、そして、テレビの中の人に目を向けながら、「あ、今の声の大きさはうまい」とか「あ、今の間は素敵だ」
とか、気づくようになってください。
大丈夫。ファッションセンスと同じで、気をつけていたら、きっと分かるようになります。もちろん、すぐじゃないですよ。
それなりの時間はかかります。
で、それが、だんだん分かるようになったら、ファッションの次のステップ、「試行錯誤」に突入して下さい。
実際に買って、着てみないとファッションセンスは絶対に磨かれません。それも、たくさん、失敗して、そのあとです。
声も同じです。
いろいろと、声を出してください。場違いだったり、うまくいかなかったりしますが、やがて、失敗がリアルに分かるようになります。
分かれば、なんとかなるものです。
どんな声を出すのか?というのは、ファッションセンスと、これまた同じです。
今日、どんな服を着たいのか、というのが、フアッションの基本です。こんな服を着たい、そして、そういう服をコーディネイトする知識や経験がある、というのが自然な流れです。
声も同じです。今、自分の気持ちで、こんな声を出したい、で、そういう声を出せる知識や経験がある、という流れです。
恥をかきながら、どうか、いろんな声をためしてみてください。
大丈夫。やればやるだけ、あなたの声に関する知識と経験は増えます。
それもまた、ファッションセンスと同じです。
楽しみながら、声とつきあってください。では。(鴻上尚史)


(質問その12) ◆質問に関するページ:56 ◆レッスンナンバー:6

後2ヵ月後に丹田から出る声で歌をうたわなくてはいけません。それができない
ために私の今とってるボイトレが進んでいきません。丹田レッスンをしてもおなか全体で支えてしまっているような気がします。しかもいまだにおへそより上の辺りもうごいています。後、私は猫背なんですがそのために姿勢が偏っていってそれが丹田に影響をあたえているのでしょうか?ALEXも私はとっているのですが、まだ感覚がよくわかりません。私の胸あたりの位置の背骨がすっごい硬く見えるといわれたのですが自分ではRELAXしてるつもりなんです。。。どうしても丹田をマスターしたいです。Z音になるとS音にくらべてタイムがかなり減ってしまいます。それはやはりどこかにまだ力がはいっているからでしょうか?やはり丹田マスターするまで 先生のほんのレッスン9以降は練習しないほうがいいですか??
(解答)
そんなに神経質になることはありません。レッスン9以降も、練習したいと思うなら、して下さい。
それより、後2ヶ月後という焦り方の方が気になります。あと2ヶ月しかないと焦れば焦るほど、丹田の支えはなくなります。あと2ヶ月と焦るのは、あなたの頭であり、あなたの体とは関係ありません。私達現代人の問題は、頭の問題として体の問題を処理しようとすることです。
体は、2ヶ月なんなことは関係ないのです。じっくりやっていくしかありません。
2ヶ月後には、100パーセントでないかもしれませんが、何パーセントか何十パーセントの割合で、丹田で支えた声が出るかもしれません。体がそれだけ、進んだことを喜びましょう。
猫背は、もちろん、丹田に影響を与えます。体の重心が上に上がりがちで、丹田に重心が落ちにくくなります。
が、焦らないこと。頭は1日で変わりますが、体は時間がかかります。まず、その状態を受け入れてください。
意識は、リラックスしているつもりでも、体の方があなたの頭より正直なのです。
「あたま」と「からだ」の戦いなら、無条件に、「からだ」に味方してください。
焦らないこと。
二十年かかってできた体(たとえば猫背)は、二十年かかって直すとまで、思ってください。
では。(鴻上尚史)


(質問その11) ◆質問に関するページ:74 ◆レッスンナンバー:9

はじめまして。私はアナウンサーを目指す大学一年生です。
ハミングをして鼻を振動させることはできるようになってきました。しかし、口 を開け「あ」に移ると鼻の振動は消えてしまいます。これはどういったことが原因なのでしょうか?
掲示板に載せていただく場合は匿名でお願い致します。
(解答)
少しもおかしいことではありません。振動が声になることで、消えたのです。
ちなみに、頭をハミングで振動させて、そのまま、口を開いて声を出すと、頭の振動も消えます。頭の方が、分かりやすく、振動がなくなります。
ノドは消えません。胸も消えません。これは、声帯に近いので、声帯の振動が体に明確に伝わるからです。(鴻上尚史)


(質問その10) ◆質問に関するページ:73 ◆レッスンナンバー:9

とある劇団に入っている高校生です、週に一回しかレッスンがないので自主練習のためにこの本を購入したのですが、自宅でこのレッスンをする際あまり大きな声を出せないのですが、のどが開く感覚をつかめていたら小さな声で練習してもいいでしょうか?
(解答)
はい、基本的には、小さい声でもかまいません。大きな声の方が、共鳴や振動を感じやすいということです。
小さい声で、ちゃんとノドを開き、共鳴を感じるのは、じつは、難しいのです。
ですから、ときどき、大きい声で確認してください。(鴻上尚史)


(質問その9)

私は、演劇をしているものでは、ありませんが、大変おもしろく読ませていただきました。
人生を楽しむスキルとして必要だなと感じました。これからの時代必要なことはこういうことはないかと思います。
演劇対象者ではなく、一般の人向けのセミナーがあればぜひ参加したいと思うにですが、大阪に在住していますが、東京ぐらいなら行きたいと考えています。セミナー開催情報を教えてください。
(解答)
残念ながら、現在のところ、セミナーを開催する予定はありません。鴻上自身があまりにも忙しく、予定がたたないのです。
申し訳ありません。もし、そんなセミナー(私達は、ワークショップと言っていますが)を、開催することがあれば、ホームページ上で、間違いなく告知します。期待せず、うんと気を長くしすぎて、お待ちください。(鴻上尚史)


(質問その8) ◆質問に関するページ:128 ◆レッスンナンバー:20のC

このレッスンは巻き舌というふうに解釈させていただいたんですが、どうしても できなくて困っています、この前舌がみじかいからじゃないかと言われ、友人と比べてみると確かに少し短いようでした、やはりこれが原因なんでしょうか?
(解答)
巻き舌というか、舌が、上下に振動する運動です。
たしかに、舌が短いと、やりにくいようです。
上下に振動できる人に、試しに、舌を奥の方に引っ込めてやってほしいと頼むと、少し、難しく感じるようです。
ただし、できなければ、まずいというとはありません。舌のマッサージのひとつ、というだけです。
神経質になることばありません。ご心配なく。(鴻上尚史)


(質問その7) ◆質問に関するページ:7 ◆レッスンナンバー:0

 はじめまして。
ヴォイスティーチャーになりたいのですが、どうやったらなれるのでしょうか。
既存の本を読んで勉強したり、英国に勉強しに行ったりということが必要な
のでしょうか。
養成機関や公的な資格がない職業ですが、ぜひなってみたいのです。どうやってなればよいのか教えていただけないでしょうか。
(解答)
ヴォイスティーチャーになるためには、まず、「発声に関して能力があること」が必要です。
この実力がないと、ヴォイステーチャーにはなれないでしょう。音大の声楽科から、ヴォイスティチャーになる人が多いのですが、俳優向けには、今のところは、正式なルートはありません。どんなヴォイステーチャーになるかによるのですが、俳優向けも担当するのなら、俳優の経験はあった方がいいと僕は思っています。俳優特有のノドの使い方や、間違いを知っている方が適切な指導ができるからです。
イギリスでは、central school speech and drama(すみません。正式な学校名は違っているかもしれません)が、1年間のヴォイステーチャーのコースを用意していて、すでに、何人かの日本人が勉強しています。
(もちろん入学資格として、発声を試験されます)
僕は、劇団で自分なりに試行錯誤を続け、本を読み、声楽の人のレッスンを受けて、自分なりのレッスン方法を見つけてきました。
イギリスに留学して、最初のヴォイスの時間に、僕の発声を聞いた先生は、「ヴォイス・イズ・フリー」と言ってくれたのですが、それでも、1年間のヴォイスの授業がいろいろと、知識の隙間や不十分だった点を補ってくれました。
何よりも役にたったのは、ヴォイステーチャー三人に、授業を受けたことです。三人が、それぞれ週二回以上の授業をするのですから、いろいろと役に立ちました。専門的な質問もできました。
日本にも、ヴォイステーチャーがたくさん生まれてくれないかと僕は思っています。
いたら、どんどん、いろんな人や劇団、現場、会社に紹介したいと思っているのですが、残念ながら、きわめて少数です。
特に、俳優向けには、イギリスとアメリカで勉強してきた少数の人しかいない現状です。
今は、このレベルの人が増えて、やがて、その人達が日本人のヴォイステーチャーを育成して、広がっていくしかないとも思っています。
どうか、なんとかして実力のあるヴォイステーチャーになってください。私は、待っています。
答えになっていませんが、そういう現状なのです。(鴻上尚史)


(質問その6) ◆質問に関するページ:42 ◆レッスンナンバー:2

 私はファイナンシャルプランナーという仕事をしています。
朝から晩まで殆ど毎日お客様相手に声を使っているわけですが、先日耳鼻科で声帯結節と診断を受けてしまいました。
結節が治ったらボイストレーニングで正しい発声練習をするようにと言われ、そのための教本を探すうちに鴻上さんの本に出会いました。
そして自分がどんなに長いこと声帯に負担のかかる発声を続けていたかを自覚できました。
お医者様には、結節を治すには沈黙療法しかないと言われていますが、仕事上それは無理なので、とにかく出来得る限り負担の少ない発声を心がけたいと思いました。今はレッスン2までを限度と決めてこのひと月毎日
行っていますが、それでもある程度の効果は期待できるのでしょうか。
それとも、並行して他のレッスン(21や22など)も加えた方が良いでしょうか。
また、今のところ鴻上さんのワークショップは計画されていないとのことで
すが、講演などもなさらないのでしょうか。「あなたの魅力を〜」を最初に読んで大変感銘し(実は前書きを読んだ時、まるで本そのものが体温を持っているような、なんとも言えない感覚を受けたのです)是が非でも鴻上さんにお目にかかりたく、サイン会その他、何とかお目にかかれる機会を設けて頂けないでしょうか。
(解答)
まず、お返事が大変、遅くなったことをお詫びします。本当にすみません。
その後、声帯の調子はどうですか?
まず、レッスン21や22は、声帯の状態には、なんの関係もありません。ですから、やってもやらなくても、声帯を傷つけたり、逆に声帯を守ったりすることもありません。ですから、どちらでもありません。
声帯は、筋肉ですから、正しいトレーニングをつめば、強い声帯になるのですが、すでに傷ついているので、大変なんですね。
レッスン2まででも、これから先、声帯が回復した時には、有効になります。その意味では、声帯が傷ついている場合は、レッスン4まではできます。
深く息をためることを、体で覚えると、無理な呼吸をしなくてよくなりますから、ずいぶん、楽になるはずです。
仕事上、どうしても、沈黙ができないのですから、声帯に負担が少ない話方を、してください。
そのためには、まず、1・少なくとも、いつも話す時に、「丹田」を意識してください。レッスン6で、丹田の位置を感じてください。
2・声帯が苦しくなりそうなら、鼻腔で共鳴させて、なるべく、声帯の負担を減らすようにイメージしてください。これは、イメージだけでもいいです。
声が響く場所が、ノドではなく、鼻の後ろだと意識するのです。顔全体が理想ですが、それは難しいようだと、鼻の後ろでいいです。
この二点でも、声帯の負担はかなり減るはずです。
なお、僕のワークショップは、個人的な症状ではなく、レッスンの進め方を伝えるものですから、Hさんの場合は、ボイス・トレーナーやボイス・ティーチャーの人に、個人的にレッスンを受けることをお勧めします。個人の人に、定期的に見てもらうことで、声帯が正しく復調しているかどうか分かるのです。僕は、今のところ、一般人の人向けにワークショップをする予定はありませんが、たとえ、あったとしても、一回、全体の中の一人として、声帯を見るだけでは、不十分です。
ボイス・トレーナーの人は、インターネットや耳鼻咽喉科で調べて分かると思います。声楽科を出た人が多いでしょう。個人的にちゃんとレッスンすれば、あとは、大丈夫です。正しい声帯の使い方を、体で覚えたら、あとは、自分でやるだけでいいのです。問題なのは、正しい使い方が分かるまでに、時間がかかるわけで、それには、個人的にレッスンを受けることをぜひ、お勧めします。一度、レッスンを受けて、声帯が激しく痛かったり、あわないなと思ったら、すぐに別な人を、見つければいいのです。そこらへんは、医者選びと同じです。
それでは、お大事にしてください。(鴻上尚史)


(質問その5)

 高校演劇をやっている高2女子です。
女子校ということもあって、今年は男役の主役で関東大会まで進みました。
で、男役の低い声に慣れたからでしょうか、高めの声を出すと首に力が入っているような気がするんです。それは当たり前のことなんでしょうか。なんだか首が固い気がしてやりにくいんです。
本から少しずれましたがお願いします。名前はださないでください。
(解答)
頭の高い部分で共鳴させて高い音をだそうとして、無意識に首に力が入っている
ように思えます。
五ヶ所の共鳴のうち、頭の共鳴は、高い音を出す時に使われることが多く、高い音をだそうとして、首に力が入っているのでしょう。
首に力を入れなくても、高い音はでます。力を抜くように意識して、楽に声を出すようにしてください。そうすれば、やがて高い音を出したまま、力は抜けていくで
しょう。(鴻上尚史)


(質問その4) ◆質問に関するページ:111 ◆レッスンナンバー:18

 劇団退団後、3年程のブランクを経て現在ナレーター・声優の勉強中です。
鴻上さんの解説はわかりやすく、成果が出ないとすぐ焦ってし
まう私にぴったりです。
質問は、遠くの人に声をかけようとすると、よく声がひっくり返ってしまいます。声がよく裏返るので、地声を強くしたいと思っているのですが、アドバイスお願い致します。
(解答)
声が裏返るのは、精神的な理由もあります。焦ることで、丹田の支えを失い、声が裏返るのです。
ご自分でもお分かりのように、焦ってはいけません。
結論から言うと、レッスンを地道にやってください。レッスンを続けることで、声が力強く、支えられ、裏返らないようになるはずです。(鴻上尚史)


(質問その3) ◆質問に関するページ:56 ◆レッスンナンバー:6

 どうしても”お腹(丹田)で支える”という実感が持てないのです。寝る前に必ず、15分くらい、おへそから5cm ほど下の部分を軽く押さえながらS音レッスンをするのですが、意識して丹田を膨らませると、どうしても肩や喉の付近に力が入ってしまい、翌日声がかすれてしまうというありさまです。何度も脱力を試みては繰り返すのですが、どうしても肩が凝ってしまうのです。ハミングも喉以外の部分ではどうしても響かせることが出来ません。なんとか鼻や口までは微かに”響いたかな?”という感じですが、それも定かではありません。昔から「肩で一生懸命話しているみたいな声」と言われるこの弱々しく篭りきった声を何とか力強い、野太い声に変えたいのです。是非、直接ご指導していただけないでしょうか。ワークショップのご予定が決まっていましたら、教えていただきたいのです。どうか宜しくお願いします!
(解答)
残念ながら、今の所、オープンワークショップの予定はありません。
ひとつ、気になることが。
意識して丹田を膨らませてはいけません。それは、不可能です。丹田のためには、横隔膜を柔軟にするしかないのです。丹田そのものを盛り上げようとすると、体に無理な緊張が入って肩や喉を痛めるのです。
横隔膜を柔軟にするためには、毎晩、深く呼吸するしかないのです。それで、結果、丹田が盛り上がるように、やがて、なっていくのです。
丹田を盛り上げることを目的にしないように。
そして、決して、焦らないように。
「肩で一生懸命、話しているような声」
は、焦るとよけいそうなりませんか?
ハミングも、弱くても、他の4ヶ所をゆっくり育ててください。
例えば、20年で作ってきたあなたの声は、最大、20年で直すんだと思って下さい。20年で作ってきたのに、半年や1年で直ると思う方が無茶です。焦りが一番の大敵なのです。
あとは、「前に倒れる」「壁押し」などで丹田を「感じて」ください。
なんとなく感じるだけでいいです。
地道ですが、それが確実な近道なのです。(鴻上尚史)


(質問その2) ◆質問に関するページ:245 ◆レッスンナンバー:6

 最終行、8の字を描く、について。
a、縦の8ですか? 横の8ですか?(8の頭とお尻が両腕側に来る)
b、イメージとして、8の線上を電車が線路(レール上)を走るように骨盤がなぞる、骨盤の方向としては腸骨の側面(腕を横に下ろしたときに付く辺り)を前後(進行方向に向けて)にして、動かす感じでしょうか?
それとも、線路上に飛行機が斜めに着陸したとして、上から見たレールと翼(破損がなかったとして)のように、8のラインと骨盤は交差しながら(骨盤は正面を向いている)動くようなイメージなのでしょうか?
どちらが自分にとって、骨盤がほぐれている、という感じを受けるかも、日によって違います。「どちらか」なんて、あまり考えずにやるのいいのでしょうか?本の中で、この個所についてあまりスペースが取られていないことからも、そんな気もしていまうのですが。
(解答)
はい、どちらでも結構です。縦の8の字というのが、僕にはよくわからないのですが、で、その後の例えも、申し訳ないのですがよくわからないのですが、とにかく、あなたがほぐれたと感じることが、一番大切なのです。ちなみに僕のイメージだと、横の8の字ですが、大切なことは、腰と股関節を優しくほぐすことですから、あなたがほぐれたと感じるほぐし方が、ベストなのです。
腰はとてもデリケートですから、くれぐれも無理はしないように。腰でマヨネーズをかき混ぜるように、優しく動かしてください。
それでは、楽しくレッスンを続けてください。(鴻上尚史)


(質問その1) ◆質問に関するページ:22 ◆レッスンナンバー:1

腹式呼吸をするにあたって、一番高くなる位置が「丹田」だとよりよい(L5)ということですが、丹田(に近づけるために)を膨らませるために、鳩尾(といわれるところ)から、おヘソ辺りにかけて、少し凹ませるようにしながら息を吸ってもいいのでしょうか? そうしなかった時と比べて多少、下の方が膨らみます。しかし、リラックスして、気持ちよく吸うというようりは、緊張しているような気がします(凹ませているところと、その方法でやった後、疲れます)。疲れるということは、余計なところに力が入っているのでしょうか?やりなれていないがための疲れなのでしょうか?気持ちよさを最優先させた方がいいのでしょうか?
(解答)
はい、気持ちよさを優先してください。
そもそも、丹田を上げるために、みぞおち(鳩尾)を下げようとするのは、本末転倒というものです。
毎日、地道にS音レッスンを続けても、丹田の部分が一番高くなるためには、最低でも3年はかかると思っていてください。それぐらい長期的なことなのです。ですから、丹田の部分が一番高くなってないと悩む必要はありません。呼吸を深くしようと思うだけでけっこうです。決して、意識して、丹田を高くしようと思ってはいけません。疲れが残っているのが、なによりの信号です。からだが、分かっているのです。(鴻上尚史)



ご質問、どうもありがとうございました。

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