安部公房 (1924-1993)小説家・劇作家。東京生まれ。
幼少期を満州奉天で過ごす。敗戦の悲惨さとその無政府状態が鮮烈な体験になっている。日本の伝統的な私小説とは性格を異にする作風から無国籍作家と評されることも多い。東大医学部出身であり、理系的緻密な描写力・冷徹な観察眼を持っている。
1948年「終わりし道の標べに」で出発。「近代文学」の同人となり、花田清輝の影響を受けて以後の作風を決定づけるシュールレアリスムに親近。人間の解体状況をシュールレアリスティックな前衛手法で寓意的に描くその文学は、国際的な評価も高い。

鴻上尚史(KOKAMI Shoji)
◇'58年8月2日愛媛県生まれ。劇作家・演出家。
'81年劇団第三舞台を結成。早大構内の特設テントを拠点に活動を始める。
口コミで増えた観客に支持を得て、'85年より新宿・紀伊國屋ホールに拠点を移し公演活動。
「朝日のような夕日をつれて」('87年紀伊國屋演劇賞団体賞)、「宇宙で眠るための方法について」、
「デジャ・ヴュ」、「ピルグリム」、「天使は瞳を閉じて」('92年イギリス公演、ゴールデンアロー賞演劇賞)、「スナフキンの手紙」(第39回岸田國士戯曲賞)ほか30作品を上演。
'97より1年間、ロンドン・ギルドホール演劇学校に留学。'99年KOKAMI@networkでソロ活動を開始。
'01年「ファントム・ペイン」上演後、第三舞台の10年間封印を宣言。
'02年、安部公房 作「幽霊はここにいる」を演出する。自作以外の戯曲を演出するのは、
'94年、べケット作「ゴドーを待ちながら」(出演 白石加代子 毬谷友子 麿赤児ほか)、
'01年「ウィンザーの陽気な女房たち」(出演 江守徹 江波杏子 宮崎美子ほか)に続き、3回目となる。