1997/4/4 「博多で筧利夫」

博多で筧利夫(聞き手/中島)
筧利夫

--- (「朝日のような夕日をつれて’97」も札幌公演が終わりました。ここは次の公演地、福岡。今日は中洲の屋台「ともちゃん」にきております。この店はこちらでは人気の屋台だそうです)
「サイコーです、川っぺりで夜桜を見物しながら」
--- (桜も満開です)
「このツアーもむちゃくちゃだね。昨日は札幌でマイナス5度の吹雪だったのに」
--- (今日からはTシャツでオッケーですね。明日から大野城のホールでリハーサルです。トラックは着くんでしょうか、心配です。ま、今日は貴重なオフですから、そんなことは忘れておいしいものを食べましょう)
「いいね!」
--- (ところで、”立花トーイ”じゃないけど、筧さんもそうとうなあたらしもん好きですね)
「きらいじゃないですね。通信系のものとか、出たらすぐ秋葉原に買いに行くもの。ISDNは第三舞台界隈では、僕が一番早かったんじゃないですか。次は、OCN。可能になればすぐ替えます」
--- (このホームページ、けっこう見てますか?)
「うちにいるときはしょっちゅう、何か更新してないかなと思って。せっかくだから映像もいれちゃえばいいのにと常々思っているんですけど。スピードの速い映像ソフトが結構でてるでしょ」
--- (どんなのが面白いですか?)
「東京理科大とかで、”CU see me”のサーバーをやってるじゃないですか。ああいうところと提携して、稽古場とか劇場のホットな話題を提供するとかさ。みんなで新年のごあいさつをするとか、そういうのいいじゃないですか。送ってる方も盛り上がるでしょ」
--- (”CU see me”。)
「そうそう。あとはやっぱり〈ひとり芝居同時中継〉ですか」
--- (そのとき観ている人がいればいいですけどね)
「そうそう、いないと悲惨だね。世界に開かれてる分、誰も受け止めてくれないとむなしいだろうね。まあそんなに凝らなくてもさ、アメリカのオフィスかなんかとつながってテレビ電話みたいな遊びをやってるだけでも、僕なんか感動してしまうんですけどね。〈うぉー、アメリカ人と交信しとるで、ワシ〉ってかんじで(笑)」
--- (英語で会話するわけ?)
「そう」
--- (どんなふうに?)
「それはその、アイアム、ジャパニーズマーン、インマイルームとかいって」
--- (笑)
「そんでもってルックアットミー、ピース!(笑)ユー!ピース、バックプリーズなんつって、ほとんど意味がないけどねえ(笑)」
舞台写真
--- (札幌公演の手応えについて)
「お客さんのリアクションについては東京もどこも変わらないとは思いますけどね。久しぶりの札幌公演ということですから、待ちに待ってたというのは感じましたね。カーテンコールなんかも凄かったしね。客電つけても誰も帰らないんだから(笑)まあ、でも・・・この作品もね、大隈裏のあんな小さなテントでやってたのにね、出る杭が出すぎてこんなになってしまったんだなあってかんじですね、まさに。」
--- (しみじみと語っておりますが、自分自身については?)
「東京公演のうちは、汗いっぱい手いっぱいって感じでしたけどね。今は少し余裕がでてきたのでもっと動けるんじゃないかと思って、いろいろ試したりしてます。最後までね、横にも後ろにも行かずに、1ミリでも前に行ければ行こうと思ってます。しかし、・・・舞台はつくづく役者の〈修行の場〉ですな」
--- (というと?)
「この先、いろんな変化球をもっともっと覚えて、いろんな仕事をしていきたいと思うんですけどね。今回、久しぶりの第三舞台だとかなんとか、色々雑誌なんかに書いてもらったんですけど、まあ、テレビなんかの自分の芝居みると、〈自分は舞台の人だなあ〉ってホント思うしね。それでまたカーブやシュートを覚えるには、やっぱり舞台で身につけないとちゃんと身につかんってのがあって」
--- (それは公演が長丁場なことと関係ありますかね)
「そうでしょうね。うん。稽古からもう4ケ月か・・・」
--- (公演中に心がけてることは?)
「体調維持。これにつきます」
--- (そういえばなんかストイックだったりしてね。たいてい静かにしてるから、実はそうとう悪いものがたまってるんじゃないかと心配してるんだけど(笑))
「そんなことないよ!(笑)心身ともにメインテナンスには時間かけて、悪いものは溜めません(笑)。終演したらじっくりストレッチをやってね、ホテルに帰ったら湯につかって筋肉ほぐしてね、針打ったりなんやかんや、薬代もほんとにすごいし。悪いけど私の身体、相当金かかってますよ。今までの蓄積を考えると私のこの動き、時間とお金をかけてます。・・お客さんもそれを見にこられるわけですねえ。(しみじみ)」
--- (具体的に、いくらくらいかかってるんでしょう)
「え!?・・そらもうあなた・・100ドルとか?(赤面)」
--- (それずいぶん安くないか?)
「(赤面)」
--- (あなた、100万ドルと間違えましたね。)
「1ドルっていくらだっけ?・・・まあ、とにかくそういうことですわ!・・・でもね、地方公演に出るとやっぱり楽しいからね、ビール飲みすぎちゃったりする時もありますけど。幸い札幌は宿の前に『コリ取るルーム』がありまして、よかったですけど。『コリ取るルーム』・・・うん、なんか整体のためのいろんな機材がある場所をみつけまして。からだにローラーかけたりしてね。ビールのんだり、ローラーかけたり・・・わしゃあ、霜降肉かい!」
--- (それでは、福岡もがんばりましょう。ありがとうございました。)

(おわり)