2000.03.16




東京公演 2000年2月9日(水)〜16日(水)俳優座劇場 
大阪公演 2000年2月19日(土)〜20日(日)近鉄小劇場
/中谷まゆみ
演出/板垣恭一
音楽/北村紀子
CAST
長野里美・・・・三枝ちひろ
小須田康人・・・・戸川秋彦
堺雅人・・・・小笠原浩樹


ベランダに洗濯機を置いた、ごく普通のアパート。
荻窪のファミリーレストランに勤務する昭彦(小須田康人)は、ひさしぶりの休日。
目を覚ますと、隣に見知らぬ女(三枝ちひろ)が寝ていた。
おどろいて、理由を問いつめるが彼女は泰然としたもの。
昭彦をジョークであしらいつつ、自分はこの部屋の先住者で、昨晩は前後不覚になる
まで酔っぱらい、間違えて元のすみかに帰ってきてしまったようだ、と話す。
そこへ秋彦の若い同居人・浩樹(堺雅人)が戻ってくる。
とつぜんの闖入者と言葉を交わすうち、三人の間には奇妙な信頼関係が芽生え、
日常に亀裂が入り、思わぬ断面が顔を出す。

●中谷まゆみ NAKATANI Mayumi
1968年生まれ。香川県出身。
'95年「ぽっかぽか2(TBS系)」シリーズ
'96年「ぽっかぽか3(TBS系)」シリーズ
'97年「いいひと。(フジテレビ系)」
'98年「お仕事です!(フジテレビ系)」
'00年「あっとほーむ(TBS系)」シリーズ
'01年「本家のヨメ(日本テレビ系)」などのシナリオ。

○出発点は、テレビで観たドラマ「ありがとう」。'70年代の母娘もののシリーズ。
脚本が、平岩弓枝さんで、看護婦編とか、婦人警官編とか、4シリーズくらいあるのかな。これを、母とみてて本気で泣いてました。あのドラマ、公園とか道とか町全体がオールセットでできてて、悪い人とか嫌なやつが全く出てこないんですよ。そこがあんまり楽しそうだったんで、「あそこに行きたい!あそこに 住む!」って、お母さんに言ったんですよ。そしたら「実際にはああいうところはなくて、あれは作ってる人がいるんだよ」って教わりまして、そういう仕事がしたいなあとずっと思ってました。何十回も再放送を見てたということで、刷り込み?人生の教科書と言ってもいいかもしれませんね。「義理人情が基本」とかね。

○もともとは、舞台で描かれる世界っていうのは特殊な、例えばすごい大テーマがなきゃいけないんじゃないかとかね、最初はやっぱりそういうところから入りました。でも、自分が好きな世界ってのが、まったくシンプルなことなんだってのに気が付いて。誰でも考えてるような、普通なことっていうか、要するに生活をすることってのが、まず一番大事だと思うんで。だったら、生活に近いことを書いていきたい。特別なことをしないとかね。構えてやらないとか。そういうのもありだと思うんですよ。ナマな話とか、ホントのことしか納得できない。本で読んだこととか知識的なものは、なーんかね。・・・どうでも いいと思っちゃうんですよ。だから取材とか、そういう堅苦しいのじゃなくて、友達同士の普通の相談とか、日常的なものが一番大事です。

○・・・ハッピーエンドが好き。現実ではありえないじゃないですか。一瞬ハッピーでも次の瞬間、地獄見たりするし。生きてる限り終わりがないし。その分、幕が閉じる作りごとでは、ほっとしたいと思っています。 (2000.公演パンフレット)